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プロジェクトピックス

第11回全国都市緑化きょうと フェア「十彩回廊」/京都市
DATE|H5~6
PLACE|京都市下京区
CLIENT|第11回全国都市緑化きょうとフェア実行委員会
CONTENTS|基本計画・基本設計・実施設計・施工監理
平成6年度 日本造園コンサルタント協会賞
特別部門(全国都市緑化きょうとフェアの関連業務)

造園作品選集 1996 掲載
十彩回廊は、第11回全国都市緑化きょうとフェアの開催テーマである「緑の文化その伝統と創生」を如実に表現し、京都における緑と京都文化の関わりを探る場とするとともに、その新たな展開に寄与し、ひいては京都文化そのものの再発見・再構成を促すことをも目的としました。このため近年、定形化・形式化している作庭技術や庭園空間から脱却し、伝統工芸や関連する分野の協力を得て古来の伝統技術を駆使した新しい自由な創作空間を創出しています。
具体的には、京都の文化及び風土の特性を可能な限り、多角的に捉え、それぞれテーマをもった10個の庭園空間を配し、訴求力を高めるために特に、意外性・審美性に富む明解なデザインを心がけています。テーマは、プロローグとして「錦」「雅」と云った京都文化の華やかで優美な側面に焦点を当てたもの、「侘び」「幽玄」と云った奥行きのある自然観に根ざすもの、また能や歌舞伎の原点でもある「風流」「傾奇」、さらに「粋」と云った自由で前衛的な創作姿勢を強調するものの他、京都の風土を表象する「山紫水明」、京都の祝祭性と休息の場となる「宴」及びエピローグとして京都の風土・文化特性を活かしながら将来に向けて新しいタイプの庭園となる「悠久」としています。
これら10のテーマを持つ庭園的空間を一本の園路(回廊)でつなぎ、一方通行で順次もれなく巡ることができる構成とし、また、テーマ空間の特性を踏まえ、テーマ空間相互における融和、あるいは離反等に配慮し、連続一体化させる場合、あるいは築山や樹林、流れ等を活かすことによって緩衝を図る場合、等により、全体として一つの庭園空間となる展示施設とし、様々な「景」が次々に展開する一種の廻遊式庭園としました。なお、これら10個のテーマ庭園は、それぞれを担当する作家によって意欲的に表現されました。
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