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プロジェクトピックス

関西文化学術研究都市記念公園 「伝統庭園ゾーン」/京都府精華町
DATE|H4~H6
PLACE|京都府相楽郡精華町
CLIENT|京都府土木建築部
CONTENTS|基本計画・基本設計・実施設計・施工監理
第11回都市公園コンクール
設計部門 建設大臣賞
平成6年度 日本造園コンサルタント協会賞
特別部門(全国都市緑化きょうとフェアの関連業務)
造園作品選集 1996 掲載
本公園は関西学術研究都市の整備を記念した学研都市全体の中央公園となる公園です。
本公園は、学研都市がもつ国際性、文化性を踏まえ、「日本の風土・文化にふれ交流する場」をコンセプトに掲げています。 この中で日本庭園は、以上のコンセプトを表象する最も重要な空間となります。 この公園は、アカマツ林、コナラ林等の薪炭林、竹林、さらに溜池等で構成された、いわゆる「里山」を大きく取り入れた公園です。そこで、上下2段から成る溜池と、これを取り巻く里山林から成る谷という現状の地形・風土を活かし、これと合一し得る庭園、換言すればあらたな地形景観を形成し得る庭園とし、従来の庭園には見られない「地域空間スケール」を基軸として構成された庭園景観が展開する新しい形態の回遊式庭園としました。具体的には、地平における3つのゾーン(大地のゾーン、里のゾーン、庭藝のゾーン)と、「中空の空間」とによる立体的な空間構成としました。
人間と自然とのかかわりを3つの観点からとらえ、それぞれ、大地のゾーンは、切り立った岩壁、岩場・大木等で太古の荒々しい未踏の自然を表象し、里のゾーンは、人の生活生産の場としての自然を、棚田や農家と「にわ」、薪炭林等をモチーフとして表し、「風土」を昇華した空間としました。また庭藝のゾーンでは、人の技芸・遊びの場としての自然を溜池の広がりと高低差を利用した「水景棚」や伝統的な作庭技術を活かした「楓泉峡」等に細やかに表現しました。
「中空の空間」は、地平から解脱し、一種浄化された空間としました。機能的には、公園の入口と庭園全体の中心に位置する建築を結ぶ動線としての橋であり、同時に里のゾーンと大地のゾーン等を区別する結界の役割を果たします。地平の各ゾーンを俯瞰しつつ、水面-岩壁・樹林・背後の山-上空等へとダイナミックで大きく広がるランドスケープを創出することによって、自然-人間関係と“時の流れ”を超越し、「悠かな未来」への思いを誘う空間としました。
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